実行委員会経緯
2021年秋ごろ、子どもの権利条約ネットワークより子どもの権利条約フォーラムの第30回大会を沖縄で開催したい旨の呼びかけがありました。それに応じ、2022年2月、沖縄大学、子ども関連の活動をしているNPO法人の有志数人で準備会を立ち上げました。その後(4月)準備会を中心にした実行委員会が結成され、毎月実行委員会を開いて議論を重ね少しずつ準備を進めてきました。私たち実行委員の殆どは、支援の現場を持ち、日々子どもたちと向き合っています。普段は現場のことで精いっぱいで現場以外の仕事に振り分ける余力がない中、みんなで力を合わせています。私たちの多くは分科会主催団体としても参加し、抱えきれないほどの盛りだくさんな課題を丁寧に取り上げ、対話し、発信したいと意気込んでいます。自分たちだけではかなり力不足なのですが、すべての関係者・参加者のお力添えを得て、フォーラムで、そしてフォーラム後も皆さまと一緒に歩めることを楽しみにしています。

代表者挨拶

実行委員長
沖縄大学福祉文化学科 山野良一

今年、こども家庭庁の設置が決まり、こども基本法が公布されました。子どもの権利擁護の推進が期待されるこんにちですが、現実の子どもたちの生活はどうでしょうか。さまざまな暴力にさらされる子どもたちの存在や、ヤングケアラーや子どもの貧困などもここ数年問題とされています。

特に、沖縄では復帰50年を迎えたいまでも、基地が住宅街を占拠し続けこれまでも事故や事件が発生し子どもは被害に巻き込まれ危険にさらされています。経済的に厳しい子育て家庭が多いことも指摘され、コロナ禍がその状況を深刻化させています。

これまでの30年間、全国各地で開催されてきた、「子どもの権利条約フォーラム」では、国連子どもの権利条約の制定に伴い、上記のように侵害されている子どものさまざまな権利の保障を求めてきました。特に、権利条約における画期的な原則のひとつである、子どもの意見表明や参加する権利を大切にしてきました。 30年目の記念のフォーラムを、復帰50年目の沖縄で開催できることとなりました。沖縄県内で、子どもたちと一緒に日々活動している約30名以上の実行委員が何度も話しあいを重ね準備をしてきました。是非ともみなさんと交流をし、子どもの権利や生活について考えるフオーラムとしたいと思います。

事務局長
一般社団法人沖縄じんぶん考房 山﨑 新

沖縄の子どもを取り巻く環境には、たくさんの課題があります。それを改善するには、子どもの権利が守られる社会にならないと。そう考えていた時に、「子どもの権利条約フォーラムを、沖縄で開催しませんか?」と提案をいただき、考えるより先に「やりたい!」と手を挙げました。

私が東京から沖縄に移り住んで約20年。仕事で子どもに関わるようになって10年が過ぎました。この間、全国的にも子どもの貧困やヤングケアラー、薬物依存等が社会問題として知られるようになりましたが、沖縄は、子どもを取り巻く社会が抱える課題がより複雑で、その深刻な影響を子どもが受けています。この理由には、住民を巻き込んだ沖縄戦や、27年続いたアメリカ統治があり、日本の施政権下に復帰し50年を経た今も、解消はできていません。

子どもの権利条約フォーラムin那覇/沖縄は、子どもたちの日常に寄り添う団体や支援者・研究者・個人が集まり、このフォーラムをスタートラインとして、子どもが主体となった社会づくりへの一歩を踏み出そうと、実行委員会を作り準備を行ってきました。年齢は関係なく、多くの皆さんにご参加いただき、子どもの権利の視点から、未来へ向けた思いを語り合えたら嬉しいです。